
2017年12月。政府与党によるタバコの増税がほぼ決定となりました。
そこで気になる増税のタイミングやその金額、また今後さらなる増税があるのか…といった気になるポイントについて紹介していきます。
※1.6月12日、「フィリップ モリス ジャパン」が全86銘柄の小売価格改定(値上げ)を財務省に申請したと発表
※2.7月25日、アイコスの専用たばこ「ヒートスティック」全9銘柄の小売価格改定(値上げ)の申請を発表。
※3.8月14日、「JT」が小売価格改定(値上げ)の認可申請を発表
※4.8月17日、「BATジャパン」が小売価格改定(値上げ)の認可申請を発表
※5.8月23日、「フィリップ モリス ジャパン」が申請していた価格の変更・再申請を発表
いずれも追記しています。
主要3社におけるタバコの値上げ申請
1.マルボロ(マールボロ)の値上げ申請!
2018年6月12日、マルボロやラークで有名な「フィリップ モリス ジャパン合同会社」が全86銘柄の小売価格改定(値上げ)を財務省に申請したと発表しました。
以下がその内容です。
フィリップ モリス ジャパン合同会社(本社:東京都千代田区、社長:シェリー・ゴー、以下 PMJ)は、2018 年 10 月 1 日から施行されるたばこ税の増税に伴い、フィリップ モリス社製の紙巻たばこ製品全86 銘柄の小売定価改定を実施することにつき、弊社製品の輸入・販売を行う双日株式会社(本社:東京 都千代田区)を通じて、財務省に認可申請いたしました。
財務省から認可が得られた際は、10 月 1 日(月)(予定)に小売定価改定を実施する予定です。
こちらはフィリップ モリス ジャパンの公式サイトによるプレスリリース(広報)なので、申請が行われたという情報は間違いありませんね。
「マールボロ」「ラーク」「パーラメント」「バージニア・エス」それぞれのブランドから全86銘柄の値上げを政府に申請したというわけです。
それでは主要銘柄をピックアップして詳細な値上げ金額について見てみましょう。
- マールボロ
470円 → 520円 - ラークKSボックス
420円 → 470円 - パーラメント100ボックス
490円 → 540円 - バージニア・エス・ノアール・メンソール
450円 → 500円
※8月22日に、申請価格の変更・再申請が行われました。
再申請された、最新の内容はこちらになります。
- マールボロ 470円 → 510円
- ラークKSボックス 420円 → 450円
- パーラメント100ボックス 490円 → 530円
- バージニア・エス・ノアール・メンソール 450円 → 480円
値上げ幅が約50円だったのが、30~40円に変更されていますね。
これは他の主要二社の値上げ幅を見て、変更したものだと推測できます。(
ついにアイコスも値上げに!
さらに2018年7月26日、
「フィリップ モリス ジャパン合同会社」からアイコス用のたばこ製品である「ヒートスティック」の値上げ申請を行ったという発表がありました。
フィリップ モリス ジャパン合同会社(本社:東京都千代田区、社長:シェリー・ゴー)は、2018年10月1日から施行されるたばこ税の増税に伴い、フィリップ モリス社製の加熱式たばこ製品全9銘柄の小売定価改定を実施することにつき、7月25日(水)に弊社製品の輸入・販売を行う双日株式会社(本社:東京都千代田区)を通じて、財務省に認可申請いたしました。
財務省から認可が得られた際は、10月1日(月)(予定)に小売定価改定を実施する予定です。
認可が下りれば価格については全9銘柄とも一律で、
(現行)460円→(改定後)500円
となるようです。つまり一箱40円の値上げというわけですね。
6月に発表された紙巻きたばこの値上げ分が約50円だったので、それに比べると10円だけですが加熱式タバコの方が安いです。
まだ「申請」の段階なので確定したわけではありません。しかしこの料金で決定する可能性は高いでしょう。
そして今回発表された金額というのは、他の値上げ申請が行われていないメーカーにとっても一つの基準になったように思います。
2.JTも値上げの申請

8月14日、JT(日本たばこ産業株式会社)も小売価格改定の申請を発表。
フィリップ・モリス社の発表(紙巻きタバコ )から約2ヶ月遅れでの発表となりました。
当社は、2018 年 10 月 1 日にたばこ税が増税されることに伴い、本日、たばこの小売定価改定の認可 申請を財務大臣に対し行いました。
今回、小売定価改定の申請を行ったのは、紙巻たばこ 122 銘柄、 葉巻たばこ 1 銘柄、パイプたばこ 3 銘柄、刻みたばこ 3 銘柄、かぎたばこ 14 銘柄の計 143 銘柄に加え、 加熱式たばこ「プルーム・テック」7 銘柄です。
JT 公式サイトより引用
- メビウス 440円 → 480円
- セブンスター 460円 → 500円
- ピアニッシモ 450円 → 480円
- ピース(20本入り) 460円 → 500円
- ホープ(10本入り) 230円 → 250円
- プルーム・テック 460円 → 490円
代表的な20本入りの紙巻きタバコが約40円。
加熱式タバコの「プルーム・テック」が30円の値上げということで、フィリップ・モリス社の値上げ幅よりも全体的に10円程度低い印象です。
※紙巻きタバコにおいてはフィリップ・モリス社が「申請価格の変更・再申請」を行ったので、現在では同じような上がり幅になりました
3.続いてはBATジャパンの価格改定
JTの発表から3日後の8月17日、BATジャパン(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン合同会社)からも価格改定の申請が発表されました。
あまり名前を聞きなれない人もいるかもしれませんが、「ケント」「クール」「ラッキーストライク」などを扱う大手のタバコ会社ですね。
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン合同会社(本社:東京都港区赤坂、社長:ロベルタ・パラツェッティ)は、 本年 10 月1日に実施されるたばこ税の増税に伴う紙巻たばこ製品(76 銘柄)の小売定価の改定について、8 月 17日(金)に財務大臣に対して添付内容の認可申請を行いましたので、茲許お知らせいたします。
- ケント 420円 → 450円
- カプリ 430円 → 470円
- クール 450円 → 480円
- ダンヒル 460円 → 500円
- ラッキーストライク 460円 → 500円
BATは約30円〜40円の値上げとなりそうですね。
僕は禁煙する前はラッキーストライクをメインで吸っていたので、少し懐かしさも感じました。
とはいえこれで大手3社の値上げ申請が出揃いました。
申請が認可されれば、いずれも10月1日から値上げが実際に行われることになるようです。
次の見出しからは全体的な今後の増税金額や、タイミング・展望の話です。
残念ながらタバコの値上げは、今年の一発で終わるわけではありません。ぜひ合わせてご覧ください。
今後のタバコの増税・値上げはいつから行われる?
冒頭でも話したように政府与党は2017年の12月、紙巻きタバコ一本につき3円の増税を行うことをほぼ決定しました。
しかし一度に3円増税するのではなく、三年に分けて1円ずつ引き上げるとのこと。
この理由として急激な消費の落ち込みによって税収が減ってしまうことや、タバコ業界が受けるダメージを考慮しているようですね。
期間としては2018~2021年。例外として2019年だけは消費税の増税が予定されているのでそのままの値段でいくみたいです。
まだ完全に決定したわけではありませんが、恐らく2018年・2020年・2021年の10月にそれぞれ1円ずつ。つまり一箱につき約20円ずつ値上がりしていくことが予想されます。
そして忘れてはいけないのがこの20円とは税金だけの金額だということです。実際にはさらにメーカーが値上げを行う可能性もあるので、最低でも20円は上がる可能性が高いということになります。
……しかし遂にタバコ一箱が500円超えする時代がやってきたんですね。
加熱式タバコの値上げは?
それでは「アイコス」など加熱式たばこはどうなるんでしょう。
実は現在の加熱式タバコの税金は、紙巻きタバコとは違う税額が適用されているのでかなりバラつきがある状態です。
しかし紙巻きタバコとの税額や各社間による加熱式タバコの税額を縮めるために、算出方法を見直して紙巻きタバコの7〜9割程に増税される予定となっています。
とはいえ最近では「紙巻きタバコより健康被害が少ない」「煙が出ない」ということもあって急速に加熱式タバコは普及しています。
その影響を考えてこちらも5年という月日をかけて少しずつ増税していく方針のようです。
今のところ加熱式タバコが具体的にいくら値上がりするのかは不明ですが、やはり紙巻きタバコと同じレベルの料金にはなるんじゃないでしょうか。
値上げと騒ぐけど、日本のタバコはそれでも安い?

実は日本はまだまだタバコの値段が安いんです。
彷徨ってフランスというサイトが2017年における、世界各国のマルボロの値段をまとめてくださってるのでそちらの記事を参考に紹介していきたいと思います。
ちなみに一番高い国はオーストラリアです。
毎年増税されているということで一箱なんと約2,200円! 日本の五倍近くの値段に…。
しかもこちらのサイトによれば2020年には約3,500円にまで上がるとのこと。もちろん物価の違いはあるんですが、もし日本でこの値段まで上がれば一般市民は手を出せませんよね。
タバコ一箱千円越えは普通
ここから17位の国までは千円越えの国が並びます。
馴染みのある国では、
- ニュージーランド 1,942円
- アイルランド 1,841円
- ノルウェー 1,536円
- アイスランド 1,367円
- イギリス 1,355円
- カナダ 1,167円
- シンガポール 1,075円
- イスラエル 1,048円
このような値段になっています。いずれも日本の倍以上の値段だというのですから驚きを隠せません。
日本のタバコの値段の順位は?
日本の順位は460円でなんと51位!
…かなり安いということがお分かりいただけるんじゃないでしょうか。もう少しだけ他の身近な国の値段を見てみましょう。
- スイス 938円
- フランス 933円
- 香港 814円
- アメリカ 753円
- 韓国 444円
- タイ 394円
- 台湾 352円
- 中国 340円
全体的にはアジアの値段が低いですね。逆にヨーロッパが高い印象を受けます。
今後タバコの値段はさらに上がる?
今現在、日本のタバコが海外に比べるとまだまだ安いことが分かりました。
では予定されている2021年の増税が終わった後にはどうなるでしょう? これはほぼ間違いなくまだまだ上がっていくはずです。
例え増税によって喫煙人口が減りタバコによる税収が下がっても、日本政府としては増税する理由がいくらでもあるからです。
ヨーロッパの先進国に足並みを合わせるため。タバコが原因となる医療費の削減。
そもそも嫌煙の風潮が高まっているので、世論の支持を得ることもできます。
オーストラリアが予定している「3,000円超え」に届くほどの極端な値上げは考えにくいですが、一箱の値段が1,000円を超える日というのはそう遠くない未来のように思えます。
まとめ

とうわけで、今回予定されているタバコの値上げ・増税についてまとめてみましょう。
- 2018年、20年、21年の三年間で一箱約20円ずつの増税
- 恐らくタイミングは10月頃
- 加熱式タバコは五年かけて増税(金額の詳細はまだ不明)
- あくまで「増税」の話なのでメーカー次第ではまだ値上がりする
このような感じですね。
しかし今回の増税というのは全然可愛いレベルじゃないかと思います。
2010年以来の約7年ぶりの値上げとなりますが、今後は頻繁に・もっと大幅な増税が起こる可能性が高いです。
まだまだ日本のタバコは安い部類ですし、嫌煙の風潮も強いですからね。繰り返しになりますが1,000円越えはすぐだと思います。
お金はもちろんですが、その他にもタバコで失うものというのは大きいです。喫煙者にとっては少し付き合い方を考えてみる良いタイミングなのかもしれません。
喫煙者が生涯でタバコに使う金額についてはこちらで詳しく記事にしています。この機会に合わせてチェックしておきましょう。
