
突然ですがみなさんHIV検査(エイズ検査)は受けたことがありますか?
「気になるので一応検査を受けてみたい」
「だけど検査を受けるのは恥ずかしいし、不安だ、怖い」
という人も多いのではないでしょうか。
僕も同じような心境だったのですが、今回色々調べた上でHIV抗体検査(エイズ検査)を受けてみたので、参考にしてもらえればと思います。
エイズとは、HIVとは

まずは詳しく知らないという人のために、少しだけエイズとHIVの説明をします。
「エイズとは? HIVとは?」
エイズ:「後天性免疫不全症候群」と呼ばれるもので、免疫力の低下によって特定の合併症を発症した状態のことを指します。簡単にいうとHIVによって病気が発症した状態ですね。
HIV:ヒト免疫不全ウイルス」と呼ばれるもので、感染することで免疫力の低下が起こります。簡単にいうとエイズの原因となるウイルスのことです。
主な感染経路としては、
- 性行為による性液感染
- 注射による血液感染
- 出産による母子感染
この3つによるものです。性行為による感染のイメージが強いかもしれませんが、母子感染や血液感染というのも存在します。
HIV検査が怖い人のための「検査レポート」
では僕が「実際に検査を受けるまで」〜「検査結果が出るまで」のレポートをご覧ください。
なぜHIV検査を受けようと思ったのか?

そもそもなぜ受けようと思ったのかというと、3つ理由があります。
1つ目の理由は区切りとしてです。僕は今年でちょうど30歳になりました。
以前から「一度行ってみた方が良いよなぁ」とはぼんやり思っていたので、節目の年ということもあって検査を決断しました。
2つ目は体調面で不安な点があったということです。
元々体がそんなに強い方ではないのですが年をとるごとに、
と感じることが増えました。もちろんこんなのはみんな感じることかもしれませんし、心配し過ぎというのは分かっているんですが、可能性は0じゃありませんからね。
3つ目は他の病気の心配です。
最近梅毒の感染患者が増えたというニュースをけっこうな頻度で目にしました。
なんとなくネットで調べてみると、少し心当たりのある症状があったんですよね。一時期性器にデキモノがあったり、かゆみがないのに体に赤い湿疹が広がるといったことがありました。
市のHIV検査では梅毒とクラミジアも任意で検査してくれるということだったので、ちょうど良かったのです。
HIV検査をする場所と時間の確認

まずはどうやって検査を受けるのかです。
僕の場合は、以前保健所で検査を受けた友人から話を聞いたことがあったので、保健所で受けようと思いインターネットで調べてみました。
幸い市のホームページにかなり大きく載っていたのでとても分かりやすかったです。
調べてみると、
- 基本的に検査日は平日で週に2日間
- 片方の日は予約が必要ないが、もう片方の日は電話予約かメールでの予約が必要
- 料金不要
- 匿名で受けることができる
- 希望者は梅毒・クラミジアの検査も同時に可能
こんな感じでした。
予約はなんとなく面倒だったので、予約が必要ない日を確認して直接行くことに決めました。
HIV検査当日
検査当日です。
時間は夕方からだったので、早めに仕事を終えて保健所へ向かいます。
建物の前まで来たものの「やっぱり検査受けるの怖いなぁ」と思って一瞬引き返しそうに…
だけど、検査を受けることってメリットしかないわけです。
検査して問題なければ安心できるし、もし感染していたとしても早く見つけることができます。治療もできるし、他の人にうつす心配もなくなるんです。
僕は改めて「やっぱりちゃんと検査を受けるべきだ」と自分に言い聞かせて、保健所へと入って行くのでした。
検査室へ

建物内の地図を確認して、検査場所へと向かう僕。
エレベーターを降りるとすぐに検査場所が見つかりました。
受付にいた女の人に検査に来た旨を伝えます。他の検査希望者はまだいなかったのか、女性はすぐに僕を待合室に連れて行ってくれました。
検査に来た理由などを書く簡単なアンケートが渡されて、少しの間待合室(個室でした)で一人になります。部屋の中にはテーブルとイス、テーブルの上にはHIV関連のパンフレットやコンドームなどが置いてありました。
書き終わって少し待つと受付にいた女性がアンケートの回収に。
そしてまた1分ほど待ちます。
採血

先ほどの女性とは別の人が入って来ます。こちらも女性の方です。
「では採血しますね」と言われて腕を出します。どちらの腕でもOKとのことでした。
僕はHIV検査だけではなく、梅毒とクラミジアの検査も希望した(無料で希望者は検査してもらえる)ので2本分採血されました。
いい年こいて僕は注射がそんなに得意じゃありません。針が刺さる瞬間は完全に目を背ける始末です。
で、関係ないんですけど今回採血してくださった女性の方メッチャ上手でした。1ミリも痛み感じませんでしたもんね。
ありがたい。
検査結果が分かるのは1週間以上経ってから

採血が終わると、検査結果を聞きに来る際の説明をしてくれます。
結果は1週間後にわかるとのことです。僕は早く結果を知りたかったので、1週間後の同じ時間でOKですと伝えました。
恐らく「1週間以上経っていて、HIV検査を行っている曜日・時間帯」であれば大丈夫なんだと思います。(これは聞いてみれば良かった)
本人に口頭での説明となるので、電話やメールで結果の確認をすることはできません。
検体番号の書かれた紙を渡されるので、当日はこの紙を持って行くようになります。
「もし都合が悪くなって、他の曜日に変更する際は電話でこの番号を伝えてくださいね」とのことでした。ちゃんと匿名性は守られていますね。
これでこの日の検査は終了です。
時は流れて検査結果当日
いよいよ結果が出る日です。
1週間の間はそこまで気になったりハラハラしたりましませんでした。
自分の中で「念のため受けてみたんだし、気になる症状もあったけど多分大丈夫じゃないかな」という気持ちがありましたしね。
ただ保健所の前まで着くと急に緊張して来ます。
「可能性は0じゃない」「もし検査が陽性だったら…」
と考えると、結果を聞くのが億劫になってきます。しかし始めの方にも書いたように検査にはメリットしかありません。
なんとか気持ちを落ち着けて、覚悟を決めて保健所へと向かって行くのでした。
いよいよ検査結果が…
保健所内へと入ります。場所は前回と同じようです。
受付の女性に結果を聞きに来た旨を伝えると、前回と同じ個室へと案内されます。
少し待つと白衣を着た女性が出て来ました。記憶が曖昧なんですが、前回採血してくれた人と同じ女性だった気がします。
テーブルを挟んで僕の向かいの椅子に女性が腰掛けます。
手元には紙が2枚置いてあります。
合っていることを確認すると、紙を開いて僕に見せながら検査結果を伝えてくれます。
梅毒とクラミジアの検査…陰性
もう一枚の紙を開いて、HIVの検査結果…陰性
HIV検査の結果は陰性(−)

「……安心しました……」緊張が解けてホッとしたのか、うまく言葉が出てきませんでしたがなんとか僕はそう答えました。
女性はとても優しい声をかけてくれました。
もし感染していたら…と内心とても不安だったので、その言葉をもらったことで少し泣きそうになってしまいました。
「実は保健所の前まで来たものの、怖かったのでUターンして帰ろうかと思いました」と言うと、
そうおっしゃってました。この女性の心遣いには痛み入るばかりでした。
検査を受ける人の中には陽性の人もいるわけです。そういった人に結果を伝える時の辛さは想像もつきません。
検査を受ける当日だって、「ひょっとしたら感染しているかもしれない…」と考えてナイーブになっている人の相手をするのです。
気苦労の多さは計り知れません。
そんなストレスを日々抱えていながらもそんな顔は一切見せません。それどころか、こういった優しい言葉を自然にかけてくれるのです。頭が上がりませんよね。
検査結果の紙をもらって、僕はお礼を伝えて保健所を後にします。
感染していなかった事ももちろんですが、検査を受けたことで不安が解消されてとても良かったと感じました。
HIV検査の全体的な流れ

僕の心情なども書いてしまったので少し長くなってしまいました。読みづらかったという人はごめんなさい。
そこで簡単に検査の流れを復習したいと思います。
<検査の流れ>
1.住んでいる自治体にHIV検査が行われている曜日・時間の確認
※市のホームページを確認するか、電話で問い合わせる方法があります。また各自治体ごとの検査方法をまとめてくれているサイトもあります。
2.予約が必要であれば予約をする(各自治体によります。匿名でできるはずです)
3.当日に検査を受ける(受付→アンケート→採血→説明で終了。)
※僕の場合は10分程度で終了しました。ただ検査を受ける人数によっては長くなることもあると思います。
4.一週間後に結果を聞きに行く(自治体によっては即日検査を行なっているところもあります)
5.陽性だった場合には後日詳しい再検査
簡単にまとめるとこのような流れです。
説明してあるように「検査の曜日・時間・予約が必要か・結果が出るまでの時間」というのは各自治体によって違います。
あらかじめ確認しておきましょう。
HIV検査を受けて感じたデメリット

デメリットと言うほどのものでもないかもしれませんが、少し気になった部分もあったので挙げておきます。
人目に全く触れないわけではない
建物内には当然他の職員や出入りしている人が大勢います。
別にHIV検査に来たということがその人たち全員にバレているわけではありません。「HIV検査はここです!」とデカデカと張り紙がしているわけでもありません。
ただ他の職員だったり、検査場所・日時の情報を知っている人には知られているんだなぁと思うと少し恥ずかしいような気持ちにはなります。
別に恥ずかしがることじゃないと言えばそれまでなのですが、やっぱり気になる人はいるかと思います。
基本は平日の日中だけ
保健所自体が土日、祝祭日、夜間は閉まるということもあって、基本的に平日で日中だけしか検査を行っていない自治体が多いようです。僕の住んでる所も平日で昼限定でした。
仕事の関係などで「土日だったり、夜だったりじゃないと行ける機会が少ない」っていう人も多いと思います。
ただし夜間や土日に検査を実施している自治体も、数は少ないですが存在するようです。
病院でHIV検査を受けるという選択肢

保健所ではなく病院で検査を受けることも可能です。
病院であれば土曜日でもOK、時間も決まった時間ではなく、ある程度自分の都合に合わせて検査が可能であるというメリットはあります。
またかかりつけの病院があるのなら、安心して受けやすいかもしれませんね。
基本的には泌尿器科や産婦人科で検査が可能です。
内科や皮膚科では検査できる所・できない所とあるようです。受診したい病院が内科や皮膚科であれば事前に検査が可能か確認しておきましょう。
ただし注意点として病院で受ける場合には検査費用がかかります。自分で病院に行って検査をしてもらう場合は、保険適用外となって全額自己負担となります。
また基本的には匿名での検査はできません。このあたりは保健所での検査と比べるとデメリットだと言えるでしょう。
HIVの検査キットを使うという選択肢

その他には検査キットを使う方法もあります。
検査キットを使えば自分で採血して郵送すればOKなので人目を気にすることはありません。匿名検査も可能となっています。
またHIVだけの検査キットもありますが、淋病やB型肝炎・梅毒・クラミジアなど他の感染症と同時に検査できる物も存在します。
他の性感染症に感染しているとHIVに感染するリスクが何倍にも増えてしまうので、同時に検査しておける点もメリットですね。
※感染リスクが増えるのは粘膜に炎症が起きやすくなるため
採血をするといっても、病院で行うように注射を使って血を抜くわけではありません(僕は最初そう思ってました)
小さい針が出る器具を使って指先から少し検査用のろ紙に染み込ませるだけなので、この点においてはそこまで心配ないはずです。
時間・曜日を気にせずに、誰にも知られず検査ができるというのは郵送検査キットの大きなメリットだと思います。
検査キットの選び方
「じゃあ検査キットを使ってみようかな」
と思っても、どこの検査キットを選べばいいかよくわからない人は多いはずです。
個人的に郵送検査キットに求める特に一番大切なポイントは、「安心感」だと思っています。
こちらとしては初めての検査でとても不安なわけです。人に知られずに検査をしたいですし、安心できる会社のものを使いたいのは当然ですよね。
実際検査キットを取り扱う会社は数多くあるので、やはりそれぞれ特徴が違います。
そんな中で個人的に一番安心感が強かったのは「GME医学検査研究所」です。
GME医学検査研究所

画像引用:【GME医学検査研究所】
GME医学検査研究所は創業18年と業界では歴史も長く、NHKをはじめ多数のメディアに紹介された実績もある会社です。
普通のオペレーターではなく臨床検査技師である専門のスタッフが問い合わせに対応してくれるので、気になる事があれば安心して相談することができます。
検査キットを扱う会社では珍しく土日や祝日の問い合わせ・検査も行っているのも大きなポイントですね。
そしてGMEの特筆すべき点はプライバシー対策です。
GMEの4つのプライバシー対策
- 品名を「商品」or「プラスチック」として送ってくれる
- ヤマトの営業所止め、郵便局留め有りなので自宅以外でも受け取れる
- 発送元を「小和田幸男」「小和田磯野」といった個人名からも選べる
- 処分に困る説明書などの返送OK
このようにプライバシーへの配慮がすごく行き届いているんです。
「誰にも知られずに検査を受けたい」というこちらの気持ちを分かってくれてますよね。
あえて不満を挙げるなら公式サイトが少しだけ見にくいかな。という点です。
とはいえ実際に送られてくる際の荷姿や伝票のサンプルなど、内容的には知りたいポイントをしっかりとおさえてくれています。
「HIVの悩みや不安のない日々を過ごすために、安心して検査を受けたい人」にはピッタリの会社だと思います。
初めての人は実際に見てもらうと検査キットのイメージも掴みやすいので、興味があれば一度公式サイトをチェックしてみてください。
GME医学検査研究所の公式サイトはこちら
HIV検査が不安な人のために選択肢はある

僕は今回保健所で検査をしました。
無料で検査してもらえますし自治体で行われる検査ということもあって安心感は強いです。記事でも書いたように保健師さんの対応も素敵で「受けに来て良かったな」と心から思えました。
だから基本的には保健所での検査を一番おすすめします。とはいえ、
- 仕事や学校の予定
- プライバシー面が気になる
- 他に気になる性感染症がある
という人もまたいるはずです。
そのことが要因となって「不安はあるけど検査に行かない」「先延ばしにする」というのは一番あってはいけないことだと思います。
だから保健所以外で検査を受ける選択肢もあるということは覚えておいて下さい。
まとめ 〜HIV検査を受けるのが怖い人へ〜

自治体でのHIV検査の受診者数は毎年13万人程度と感染リスクの割に少ない状況です。
ひっかかっている心の不安を解消するためにも、早期発見のためにも、心当たりや心配があるのなら検査を受けない理由はないはずです。
発見が遅れるほど治療は大変になりますし、大切な人を感染させてしまう危険もあります。
僕は検査に行ったことで不安が解消されました。もっと早く行っておくべきだったなとも感じています。
あなた自身のためにはもちろんですが、大切なパートナーや関わる人のためでもあります。
不安な人・今まで受けたことのない人は、ぜひ一度HIV検査を受けてみてください。