
「HIVに感染してないか不安でしょうがない」
「嫌なイメージばかり湧いてしまいノイローゼ気味だ…」
そんな不安な思いをしてるあなたへ。
同じように不安な期間を過ごし、実際に検査に行った経験もある僕から伝えたいメッセージがあります。
少しでも不安の解消につながったり、今後の選択の助けになれば幸いです。
HIVノイローゼの人・不安でたまらない人へ
HIVかどうかは症状だけではわからない
感染を疑う理由の一つに初期症状があると思います。
感染して二週間から一か月の間には、
- 全身のだるさ
- 高い熱
- 関節痛や筋肉痛
- 頭痛
といったようにインフルエンザとよく似た症状が出る場合があります。
また皮膚へのできものや、「口腔ガンジダ」と呼ばれる口の中に起こる感染症を併発するケースも多いです。
ただし急性期に上記のような症状が現れる人が多いと言われているものの、いくら代表的な初期症状と照らし合わせてみても不安は解消されません。
たしかに感染している場合に出やすい症状というのはあるんですが、それだけで断定することはできないからです。症状が現れる人もいますし現れない人もいます。そもそも日常的に起こりやすい症状でもありますからね。
しかも急性感染期を過ぎると症状が落ちついてきます。
特にサインがないので病院に行くことも少なく、気づくきっかけを失います。そうこうしている内にどんどん発見が遅くなってしまうんです。
「いきなりエイズ」と呼ばれる、エイズを発症して初めてHIV感染に気付く人が少なくないのはこのためですね。
不安だけどHIV検査を受けるのが恥ずかしいあなたへ
日本は性に関してあまりオープンではありません。
とはいえオープン過ぎるのがイイかと言われると僕はそうは思いませんが。しかしこの事も理由の一つとなって、HIV検査をなんとなく受けづらいということも事実です。
これはその他の性病検査なんかでもそうですよね。
僕はHIV検査だけでなく、過去に性病検査も受けたことがあります。だけどやっぱり恥ずかしさを感じてしまいました。
病院では周りの人の目も気になるし、家族や知り合いに見つかったら…なんて考えも頭をよぎります。
しかしHIV検査においては、保健所を利用すればプライバシーには配慮してもらえるんですよね。匿名で検査を受けることが可能ですし、電話番号を聞かれたりもしません。
郵送の検査キットを使う場合ではさらにそうです。
郵送検査キットにおけるプライバシーへの配慮
- 差出人の名義を「会社名」ではなく「個人名」にして送ってくれる
- 自宅ではなく郵便局などで受け取ることが可能
- 送られる品名も「検査キット」とは書かず「日用品」などとぼかしてくれる
- インターネットで申し込みや結果確認できる
もちろんこちらも基本的には匿名で検査を受けることができます。
配慮が行き届いている会社ではこのように、利用者の気持ちをすごく考えた対応をしてくれます。同居している家族にはもちろん、知らない他人の目にも極力触れずに検査をする事が可能です。
という人でも検査を受けることはできるので安心してください。
HIVにもし感染していた場合は治るの?

現在の医療技術では体内にあるHIVウイルスを完全に取り除くことはできません。
しかし薬によってHIVウイルスの増殖を防ぎ、免疫力を維持することが可能になっています。適切な治療を続けることによって普通の生活を送ることができるんです。
仕事や学校に行くことだってできますし、運動だってできます。血液や性分泌液の取り扱いに注意しておけば基本的には今までと大きく変わりません。
治療法や研究の進歩は著しいので、完治することが可能な治療法がこれから出て来る可能性だってあります。
ただしエイズが発症してからの治療というのは発症前よりも難しくなってしまいます。月並みな言葉ですが、他の病気と同じ様に「早期発見・早期治療」が大切になるわけです。
不安な点があるけど検査を受けたくないという理由の一つには、「HIVに感染してしまうと人生が終わる」というイメージがあるからではないでしょうか。
昔のようにエイズ=死の病気というわけでありません。このことはしっかり覚えておいて欲しいと思います。
HIV検査を受けたいけどまだ期間が短い人
HIVに感染して日が浅いと、検査をしても結果が正確に出ないケースがあります。
これを「ウインドウ期」と呼びます。すごく簡単にいえば潜伏期間のようなものですね。そのため正確に診断するためには感染の機会から三か月の期間が必要だと言われています。
もし不安でたまらないなら一か月過ぎていれば一度受けてみてもいいかもしれません。それ以前の行為などによる感染の有無は判別できるわけですから。
保健所や病院で受けるのであれば、検査を受ける際に気になる事を質問することもできます。また検査キットを使う場合ではフリーダイヤルやメールで相談に乗ってくれます。
ただし早い段階で検査を受けて陰性(-)であったとしても、確認の意味で三か月後に再度検査を受ける必要がある事に注意しておきましょう。
HIV検査を受けないことによるデメリット
先ほども挙げたように早期発見・早期治療はとても大切です。
発見が遅れることによって段々と治療が難しくなってしまいます。さらに、もしHIVに感染しているのに放置していた場合にはパートナーや家族、親しい友人へ感染させる危険も高くなっていきます。
そして例えHIVに感染していなかったとしても、その他の性感染症(STD)にかかっているとHIVに感染するリスクは数倍~数十倍に上がってしまうんです。
保健所によってはHIV検査と合わせて、無料で何種類かのSTDの検査を実施しています。僕の住んでいる地域では梅毒とクラミジアの検査を任意で受けることが出来ました。
検査キットを使う場合でも、気になっているSTDの検査を一緒に行う事が可能です。ただしこちらは有料ですが。
HIVとSTDの検査を同時に受けることで今後のリスクを減らすことにも繋がるので、その機会を失うこともデメリットの一つだと言えるかもしれません。
HIVへの不安を取り除く・ノイローゼを解消する唯一の方法

不安を取り除く方法は一つしかありません。
それはHIV検査を受けること。そしてしっかりと結果を確認することです。
きっとこの記事を見ているあなたは、そのリスクの大小に関わらず不安な要素を持っているはずです。
そしてたとえ感染の可能性が低いとしても、不安でたまらない今の状態を解消することは自力ではとても難しいです。
この先ずっと不安な思いをしながら過ごすことになってしまいます。
一時的に体調が良くなったり忘れたりしていても、やっぱりまた思い出す時があって今日と同じようにサイトを調べる日がやってきます。僕はそうでした。
「検査を受けるメリット」というのは挙げればキリがありませんが、「検査を先延ばしにするメリット」というのは一つもありません。
大切なパートナーや家族・周りの親しい人のためにも。そして何よりもあなた自身のために、不安な状態なら検査を受けることをおすすめします。
僕が実際にHIV検査を受けた時のことについても詳しく記事にしています。
読むことでなんとなく検査の雰囲気も掴めるはずですし、検査を受ける決心もつくかもしれません。ぜひ合わせて読んでみてください。

HIVの検査結果を待っている間の不安さ
検査を受けるか悩んでいる時も不安ですが、検査結果を待つ間というのもとても不安なものです。
即日検査を実施している所もありますが、基本的には検査結果が分かるまで一週間程度かかるケースが多いですから。
実際に今記事を見てくれている人の中には、「結果待ちだけど不安でたまらない」という思いから訪れた人もいるかもしれません。
僕自身、検査結果が出るまで一週間という不安な期間を過ごしました。
でもその時には仕事が忙しかったこともあって、毎日毎日不安でたまらない…というまでではありませんでした。恐らくあの忙しさがなければ不安な気持ちはもっと強かったと思います。
という人もいるはずですが、無理矢理にでも忙しく振る舞ってみてはどうでしょう。何もしていないと悪い考えばかりが頭をよぎってしまいます。
それでも考えてしまうという人は、一度頭の中を整理してみましょう。
僕の場合は検査結果を聞きに行く直前が一番不安でした。当日施設の前まで行ったものの、やっぱり検査結果を聞かずに引き返そうかな……と車の中で真剣に考えたくらいです。
しかし検査を受けることのメリット・受けないことのデメリットというのを頭の中で整理することで、
- ここで引き返しても一生不安なままだ
- もし感染していても、判明することで大切な人に迷惑をかけずに済む
- 検査結果をしっかり受け止めることが間違いなく一番の正解なんだ
という考えにたどり着いて、なんとか検査結果を聞きに行くことができました。
だからもしあなたが検査待ちで不安なら、もう一度検査を受けた理由と受けないことによって起きるリスクについて整理してみるといいかもしれません。
不安な気持ちは本当に痛いほどよく分かります。だけどいくら結果のことについて考えても何も変わりません。
- 検査を受ける意義・受けないことによるデメリットを整理してみる
- なるべく忙しくして暇な時間を作らない
このことを実践してみれば、検査待ちの間の不安を少しは減らせるかもしれません。まだ検査を受ける前の人にも、これからの参考になればと思います。
まとめ

検査を受けて結果を確認することが、不安を解消するための唯一の方法です。
きっと色々なことが頭を巡って悩んでいると思うんですが、悩み続けても先に進むことはできません。
不安な思いをしているならぜひ一度検査を受けてもらえればと思います。
参考文献:岡 慎一 編「改訂版 HIV Q&A 」医薬ジャーナル社.2006年 改訂版
参考サイト:北海道HIV/AIDS情報-北海道大学病院HIV診療医療センター-