
路上や飲食店の禁煙化だけでなく、企業による職場の禁煙化が加速しています。
これからの時代、喫煙者はビジネス面において多くの損失を受けることになってしまいそうです。
現役で働いている喫煙者や、就職を控えたタバコを吸う学生は覚悟しておいた方がいいかもしれません。
加速していく職場の禁煙化
最近では職場の禁煙化がどんどん進んでいます。
2015年に帝国データバンクが行なった「従業員の健康管理に対する企業の意識調査」によると、完全禁煙を実施している事業所は23.7%にも及んでいます。
三年が経った2018年現在ではさらに進んでいるとみて間違いないでしょう。
また実施している企業の数もそうなんですが、その「質」にも注目したいところです。
2017年にホワイト企業アワードを受賞したIT系企業の「株式会社アクシア」は2010年から社内の全面禁煙を実現しています。
また、有名なリゾート会社である「星野リゾート」は
あなたはたばこを吸いますか?
大変申し訳ございませんが、星野リゾートグループでは喫煙者は採用しておりません。
それが企業競争力に直結すると考えているからです。
星野リゾート公式サイトより引用
このように、そもそもタバコを吸う人間は雇用しないというスタンスをとっています。
ビジネスに悪影響を及ぼしかねない問題ということもあって、イケてる企業ほど率先して社内の禁煙化に取り組んでいる印象です。
禁煙化を行うことで他社との差別化も図れますからね。
タバコを禁止する事で社内の問題も解消できる
禁煙化のメリットというのは競争する他社との問題だけではありません。
昔からあった問題ではありますが、喫煙人口が減ったことによってタバコ休憩問題が最近大きく取り上げられています。
簡単に言えば、
という内容ですね。言われてみると確かにそうかもしれません。
この問題を受けてマーケティング会社である「株式会社ピアラ」では、非喫煙者に対してスモ休と呼ばれる年間で最大6日の有給を与える制度を導入しています。
これは非喫煙者からすると嬉しいシステムだとは思いますが、企業側の負担が増えることは想像しやすいんじゃないでしょうか。
しかし、社内を全面禁煙にしてしまえば低コストでこの問題は解決できちゃいます。
これから職場のタバコはどんどん問題視される

このようなタバコの問題というのは、これからどんどん表面化していくと思います。
先ほど挙げたタバコ休憩だけでなく、「受動喫煙や臭いに対しての問題」などもそうですね。
今までは喫煙人口が多かったのでスルーされていた部分が、非喫煙者の増加によって糾弾されていくはずです。
圧倒的にタバコを吸わない人間の方が多いので、企業としてはこのような問題を見過ごすわけにはいかなくなります。
ではどういう対策が取られるでしょうか? 例えば、
「よっぽど潤っていて、なおかつ上層部の人間にヘビースモーカーが多い」
という会社では「ピアラのスモ休」のように非喫煙者に賃金や休暇が優遇される制度が導入されるかもしれません。
しかしこれはかなり稀なケースでしょう。
世間は完全に嫌煙の流れですし、先ほども言ったようにそもそもこの方法にはコストがかかり過ぎます。
そうなると社内の完全禁煙を実施する方が断然楽で負担も少ないです。さらに企業に対する社会的な印象も良くなります。
と思いますか?
2017年にJTが行った「全国たばこ喫煙率調査」によれば喫煙者率は18.2%と全体の二割にも満たない状況です。
この二割弱の喫煙者のために「世間の波に逆らい、多額の費用をかけてまで喫煙者の立場も保障してくれるだろう」という考えを抱くのは甘いかもしれません。
喫煙者にこれから職場で起きていく5つの不利益
続いては実際の世間の流れを踏まえたうえで、これから近いうちに喫煙者に起こる不利益を予想してみたいと思います。
1.タバコ休憩の廃止
まず休憩時間以外のタバコ休憩というのは廃止されていきます。
これはかなりの確率で実現するでしょう。非喫煙者からの声も大きいですし、やろうと思えば簡単に廃止できますから。
実質的な休憩時間の不平等さはもちろんですが、仕事中に吸う事による臭いなど他にも指摘されている問題があります。
昔のように「タバコ休憩は暗黙のルールでOK」という時代は終わりを迎えそうです。
2.敷地内の全面禁煙

これも行われる確率は高いでしょう。
近いうちに完全禁煙な社内というのが企業としてスタンダードになるはずです。そうなると会社内で喫煙スペースがあるような会社は、
- 遅れている
- 社員の気持ちを分かっていない
- イケてない
このようなレッテルを貼られることに。
こうなると取引先や消費者からマイナスのイメージを抱かれてしまいます。
というより消費者はともかく、「完全禁煙を行っている企業」からはすでにこういうイメージをもたれているでしょう。
会社内に喫煙スペースがなくなる日はそう遠くないはずです。
3.就業時間中の喫煙NG
続いて出てくるのが就業時間中の喫煙NGです。
社内で吸えないのはもちろんですが、お昼休みに外で吸うことすら許されなくなるかもしれません。これは「臭いの問題」ですね。
従業員からのクレームも出るでしょうが、大切な取引先や消費者へ不快感を持たせることになるということで禁止になる可能性があると思います。
喫煙者は麻痺してしまって気づきませんが、タバコの臭いって喫煙者が思ってる十倍くらいは臭いです。
僕も10年以上タバコを吸っていましたが、この事実には禁煙して初めて気づきました。
ちょっとケアしたくらいでは全然臭いも取れませんし、非喫煙者に与える不快感というのはかなりのものです。
こういうリスクを潰してくる企業は多いのではないでしょうか。

4.そもそも喫煙者を雇わない

こうなってくると、そもそも雇用しない方がいいですよね。笑
就業時間中に吸えないので、喫煙者としては出社前に吸い溜めをしてきます。でもこの臭いだって完全には取れないわけです。
禁止してもこっそり「昼休みに外でばれないように吸う人」も出てくるでしょう。
また会社の飲み会なんかは就業時間に含まれません。そこでタバコを吸う事はルール上OKでも、非喫煙者からイイ顔はされませんよね。
さらに健康面での不安というのもタバコを吸う人の方が大きくなります。病欠だったり急な入院というのは、会社からするとなるべくなら避けたいものでしょう。
結局喫煙者を雇用することにはリスクしかないわけです。それなのに無理して喫煙者を雇う必要は、企業としては全くありません。
いずれ星野リゾートのように、明確に雇わないと掲げる企業も増えてくる気がします。
5.賃金や休日が少なくなる
スモ休を作ったピアラのように、
- 非喫煙者への有給を増やす
- 非喫煙手当として給料を上乗せする
という企業も多少は現れるでしょう。
しかしそういった会社は確実にコストが増えますよね。ではどうやって解消しましょうか?
まず考えられるのは「新しく雇う社員の基本給を下げる」ということです。
今現在雇っている社員を減給するとなると色々問題が出ますが、これならそこまで難しくないはずです。
それに伴って既存の喫煙者である従業員のリストラも考えられます。
クビ宣告は考えづらいですが、降格や配置転換などこれも遠回しに行えばいくらでも可能でしょう。
また新しく発足する会社では基本給はもちろん、基本的な休日も少な目に設定してくるかもしれません。こうする事で非喫煙者への有給手当をつけやすくなります。
このように工夫をすれば、見た目的には「非喫煙者にも喫煙者にも優しい会社」に見せることができてコストも抑えることが出来ます。
他に行けない優秀な喫煙者を割安で確保することもできそうです。
……とまあ、これに関しては完全に僕の想像なんですが可能性としては有りそうですよね。
まとめ

企業における職場の喫煙問題への対策というのは現在確実に進んでいます。
もちろん広く浸透するには時間がいくらか掛かるでしょうが、決して遠い未来の話ではありません。すぐそこまで来ています。
タバコを吸うというだけで、
- キャリアアップの機会を逃す
- 就職で不利になる
- 選択肢が狭まる
というのはハッキリいって割に合いませんよね。
就職を控えている大学生やキャリアアップを目指す意欲のある人は、来るべき時に備えて今から禁煙に取り組んでおくべきかもしれません。
思ってるよりもタバコを吸わないことのデメリットって少ないものですよ。
