
知らない人も多いかもしれませんが、2月18日は「嫌煙運動の日」です。
2月18日。1978年2月18日、「嫌煙権確立をめざす人びとの会」が設立され、本格的な嫌煙運動が始まったことに由来する。
(2011年8月現在)
デジタル大辞泉プラス「嫌煙運動の日」より引用
そこで今回は「嫌煙」について少し考えてみたいと思います。
嫌煙のあり方について
最近では嫌煙の流れが一気に加速しています。
以前からあった嫌煙家の活動に加えて、2020年に開催される東京オリンピックの影響もかなり大きいようですね。
日本では公共施設や飲食店での「禁煙・分煙」が主要な国に比べて遅れているのは事実です。
先進国では軒並み屋内は禁煙ですからね。
こういった意見が出るのは当然です。
非喫煙者がもっと生活しやすい環境づくりが行われるべきでしょう。ただ嫌煙が行き過ぎていたり、配慮に欠けているケースもあるような気がします。
嫌煙における北風と太陽理論
という激しい嫌煙家をたまに見かけます。でも喫煙者だって人間です。
頭ごなしに「タバコなんてやめろ! 迷惑だぞ!!」って言われても、喫煙者的には「うっせーしww」としか思えないんですよね。
そういうスタンスでいきなり来られると、たとえ実のある内容だとしても頭に入って来ないんです。聞く気になりませんから。
これは北風と太陽の話と一緒ですね。
力技で押しまくるだけだと、なかなか説得できないもんです。もう少し柔らかく対応する方がお互いにメリットがある気がします。
喫煙者側にも言い分がある

タバコを吸ってる人だって、なんらかの理由があって吸ってるわけです。
- 食後の一服がたまらなく美味しい
- ストレスの解消になる
- かっこいい
- お酒のお供に抜群
- ニコチン依存でやめたいけどやめられない
- etc…
そもそもタバコを吸うこと自体は法律で禁止されているわけじゃありません。
そしてマナーを守ってタバコを吸ってる人も大勢いるわけです。
それなのに「全ての喫煙者は悪!」と親の仇のようにたばこを吸う人自体を嫌って、批判するのは違うんじゃないかと思います。
あくまでも悪いのは「煙による害」ですからね。
もちろん喫煙者側の問題も大きい
とはいえ喫煙者側に問題が多いのも事実です。
マナーが悪い人も大勢いますよね。マナーというか、もはや法律違反なケースも。
- 禁止区域でタバコを吸う
- ポイ捨てをする
- 人ごみで歩きタバコをする
このような人たちは何を言われても仕方がないかもしれません。ダサすぎです。
そもそも一部のこういった人たちのせいで、嫌煙家の怒りがどんどんエスカレートしてしまうわけですから。
「喫煙家=マナーの悪いクズ」といったようなレッテルを貼られてしまうわけです。
そうではない喫煙家からしてみると、いい迷惑としか言いようがありません。
喫煙におけるモラルについて

例えば「分煙だったり喫煙可なお店」であれば、法律的にはタバコを吸って問題ありません。
しかしもし小さい子供を連れた人や妊婦さんが隣の席に来たらどうなりますか?
これはもっともです。
たしかに健康被害が大きい子供や妊婦さんのそばで吸うのはいただけません。もちろん控えるべきでしょう。
だけどそもそも喫煙可なお店である以上、そういう事態は想定しておくべきかもしれません。
僕も今はタバコをやめましたが、以前は10年以上タバコを吸い続けた喫煙者でした。
そういったシーンに遭遇した時はたばこを我慢したり、気づいてない連れがいたら「小さい子いるから」といって吸わないように促していました。
周りの知り合いも、そういうシーンでは気を使って外に吸いに行く人ばかりです。
ただしこれは喫煙者側の配慮によって成り立つものです。
それを理解せず「気を使ってもらえるのが当たり前」というスタンスでいる人には違和感を感じます。モラルの押し付けだとも思います。
一般的な食事処ならまだしも、居酒屋に平気で小さい子供を連れてくる人もいます。
でもタバコを吸う客が多い事は考えたら分かるはずです。完全禁煙や分煙のお店を選んだり、個室を予約することで回避することもできます。
という理由でそのお店を選ぶ人だって中にはいるわけで。
相手に対して配慮できない人が、「自分は当たり前に配慮してもらえる」という考え方は美しくないように感じます。
優しい世界

喫煙可能なお店に子供連れで入るとします。
注文した品が届くのを待っていると隣に座ってたサラリーマンの一人が、
と言って席を離れ店から出ます。
この時に(まあ当たり前だわな)と思うんじゃなくて、(ありがたいな)という心が大切だと思います。
こういうのって、タバコを吸ってる側からするとけっこう雰囲気で分かるものですからね。
稀にこういう人も見かけます。
サラリーマンの配慮に対してお礼を伝える親御さんですね。
相手のサラリーマンも「いえいえ当然ですから。」なんて答えるんです。
これってめちゃくちゃ優しい世界じゃないですか?
こういう事を言ってもらえると、喫煙者側も喜びますよね。きっとこの出来事をきっかけに彼の喫煙マナーはさらにレベルアップしますよ。
こんな感じでお互いの配慮がある方が全体的な喫煙マナーの向上にもつながるはずだと思います。
どちらも気持ちが良いですよね。
正しい嫌煙の動きは必要だと思う
本当にタバコの煙が嫌でしょうがない人もいます。
タバコの煙でアレルギー症状が出るという人も中にはいます。
しかし日本では「室内での分煙や禁煙・歩きタバコ」に対しての対策が不十分なのは間違いありません。
田舎では特にそうですよね。僕の住んでる町は割と田舎なんですが、完全禁煙の飲食店なんかは探すのが難しいです。
嫌煙家の人には辛いし住みづらいはずです。
だからそんな環境を改善するために、声を上げて権利を主張する正しい嫌煙というのは必要だと思います。
でもそれは「とにかくタバコを吸う人を叩く」「相手には一切配慮しない」というのとはまた違うんじゃないでしょうか。
まとめ

たばこを吸うこと自体は違法なわけではありません。
確かにマナーの悪い人もいますし、そもそも臭いのもわかります。しかしマナーを守るモラルの高い喫煙者がいるのもまた事実です。
「喫煙者」とひとまとめにして感情的に批判するのではなく、相手の立場になってお互いに配慮し合えるといいですよね。
分煙化はもっと進むべきですが、恐らく時間はかかってしまいます。
気持ちよく共存するために、また少しでも早く分煙化を進めるためにも「正しい嫌煙」はすごく大切なことじゃないかと思います。